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毒され男

雨の音が響いている。窓から少し指す光は、彼女をうすぐらく照らしている。
憂鬱である雨が、それだけで妖艶なものへとなる。

「すき、なんですよ。」

言葉はこぼれ落ちる。後から後悔したって、拾えやしない。
今の言葉が、今発するべきものではない、と僕は重々承知していた。
けれど、彼女がいるだけで、僕の中身がこぼれおちてしまう。
彼女は僕にとって、写真の中の人のようなのだ。遠く、遠く、鮮やかに、それでいて涙がでるほどに、すべてが美しい。
崇拝に近いのかもしれない。

「雨がですか?」

彼女は、窓を指した。窓の向こうの雨は、止みそうにない。

「そうではないのです。」

僕は目を閉じた。意味は無い。
けれど、彼女をこのまま見続けたら、僕はもっとひどい僕の中身を晒してしまうような気がした。
知られてしまったら、僕を軽蔑するかもしれない。
それは、恐ろしい。

「眠いのですか?」
「・・・いえ。・・・こうしていると、雨が心地よく感じますよ。」

小さなうそをついて、彼女を僕の中身から離した。
彼女にうそをついてしまったことが、悔やまれる。
けれど、知られてしまうよりもいい。
こんな、醜いものは、彼女の美しい心に止まらなくて良いのだから。

「本当ですね。」

そうやって、目をつぶる彼女すら、美しいと感じる。
僕は、僕を鼻で笑った。



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海

Author:海
(カイ)
女。
詩を書いてます。


ねくらのチキン

めんどくさがりだけど
くだらないことばっかするけど
いきなりマジになる


※今まで俺という主語を使っていましたが、最近、私という主語になりました。
なので、前の記事に行くと、俺という主語になってます。
人が変わったといったことではないので、ご了承ください。


気ままに更新中

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