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さよならの数だけ大人になる


どこからか、さよなら、という声がした。か細く、震えるような声を、僕はどこかで聞いた気がする。
ぐるりと部屋を見渡す。何も変わりない、いつもの僕の部屋だ。
脱ぎ散らかした服。山になった本。食べ散らかしたゴミ。
僕の部屋はいつもと変わりなく、汚い。
そんな部屋から、なぜ、そんな繊細な声が聞こえるのだろう。納得がいかない。

「だれですか?」

声が返ってくるはずなどないだろう、と馬鹿馬鹿しく思いながらも口にする。
それで声が返らなければ、さよなら、なんて声は聞こえなかったと納得するしかないからだ。

「・・・僕はさよならと言ったのです。声をかけないでください。」

ぎょっと目が飛び出しそうになるくらい驚く。ありえない。
僕は僕を納得させようとしただけなのに。ありもしないことが、僕の部屋で起きている。
声は、僕を包むようにして聞こえた。場所の特定はできそうにもない。分かったとしても、僕は恐くて動けないだろうけども。

「さよならと、言ったのですか?」
「・・・言いましたよ。聞こえていなかったのですか?僕は、あなたに言ったのに。」
「・・・はあ。」

恐ろしいことを言う。僕に対しての言葉だった、というのだから。
”さよなら”など、意味によっては、僕が何かしたみたいではないか。けれど身に覚えひとつない。
人に無礼を働くことが苦手で仕方がないのに。そうにしたって、僕に怪奇現象の知り合いはいない。

「どちらさまですか?」
「知らないと。そう、言うのですか?」
「うーん。僕に見に覚えはないのですが。あなたは何者ですか?」
「・・・わからなくて良いのです。僕はただあなたに、”さよなら”と告げて去るだけなのですから。」

怪奇現象は僕に危害を与えるつもりはないらしい。声からしても、悪い人間とは思えない。
ただ、僕の前から去りたいだけのようだ。
僕に被害はない。その答えにいきつくと、僕は、彼?に興味がわいてきた。何者なのか、分からないまま僕の前を去られては、気になって眠れなくなってしまう。

「いや、待って下さい。」
「いまさら、止めるのですか?」
「?いまさらとは、どういうことですか?」
「知らなくて良い。分からなくて良いのです。」

彼の声は、徐々に小さくなっていく。本当に去ってしまうようだ。
彼が気になりもするが、彼が言ったことも気になる。僕は、彼を引き止めなければいけないのではないか。彼は僕にとって、重要な人物なのではないだろうか。そう考えると、充分に、僕に被害が受ける可能性は高い。先ほどとは違う、僕を急き立てるような恐ろしさがやってくる。

「待って下さい!」
「引き止める理由などないはずです。そうでしょう?」
「僕には分かりません・・・。けど行かないで下さい。」
「・・・引き止めるのですか?」
「はい。」
「じゃあ、います。」
「え?」

僕は拍子抜けした。こんなにも、あっさりと彼を引き止められるものだとは思わなかった。声は、先ほどよりも大きく聞こえる。距離は、僕の前に居るぐらいのように感じる。

「じゃあ、いろいろと、聞きたいことがあります。」

僕は、正座をして、彼と正面から向き合う。
彼は何を話すのだろうか。



特に意味もなくつらつらと。
続くかと。
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海

Author:海
(カイ)
女。
詩を書いてます。


ねくらのチキン

めんどくさがりだけど
くだらないことばっかするけど
いきなりマジになる


※今まで俺という主語を使っていましたが、最近、私という主語になりました。
なので、前の記事に行くと、俺という主語になってます。
人が変わったといったことではないので、ご了承ください。


気ままに更新中

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